【コラム】シリーズ『緑内障をあきらめない』エピソード2の2

最終更新日:2021年01月12日

以前お話しそびれた患者様のご紹介です。緑内障について改めて気を引き締めてほしいのでエピソード2の1のリンク(文字をクリックorタップ)を貼っておきます。
 
緑内障をどう理解してもらって、どうすれば治療に前向きになってもらえるか、というのは毎日私を悩ませる頭痛のタネです。
 
三愛眼科では、白内障手術はもちろんのこと、緑内障手術治療にも力を入れています。今回の患者様は
 
#右目は緑内障で既に失明、左目は進行性だが無症状
#眼圧は両眼とも正常範囲を超えている
#病院嫌いで、すぐ診察に来なくなる
#なんとか家族が説得して受診させる、を繰り返している
 
という方です。エピソード2の1の最後にお見せした、たった4年間で視界がどんどん狭くなっている左目の持ち主です。
 
#説教したら、嫌になってまた診察に来なくなるだろうなぁ
#そうなったら間違いなく左目も失明するなぁ
 
というわけで、
 
#万が一診察に来なくなって
#点眼治療が続けられなくても
#失明までの時間稼ぎができるように
#低侵襲線維柱帯切開術をして眼圧を下げておこう
 
と計画を立てました。どんな内容でも手術と聞くと怖いですが、
 
#10分足らずで痛みもなく
#日帰りで行える手術法もあり
 
当院では病態によって術式を使い分けています。
 
最初に手術計画を立てたのは2年前、計画を立てては患者様が来なくなり、を2度繰り返し、左目にも視力低下の自覚症状が出始めた今年、3度目の正直でようやく手術を受けてもらう頃には視野がほとんど残っていない状態で…(視野検査の写真3枚目は手術直前のものです)
 
今も「見えにくい、見えにくい」と仰っておられます。緑内障治療の目標は眼圧をその人に合った適正値に下げて進行させないこと、自覚症状が治ることはありません。お察しの通り、術後診察にもほとんど来られず、どうなることかと予断を許しませんが、手術した左目の眼圧は術前の半分以下に下がったのでそれが唯一の安心材料です。
 
#自分は歳も歳だから、治療はそこそこで良い
 
と思われたそこのあなた!こちらの患者様は何と93歳です。私たちはともかく、家族を心配させてはいけません。このままの治療で十分なのか、今一度主治医にご相談を。
 
三愛眼科院長
樫本大作
 

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