【コラム】シリーズ『危うく失明、危機一髪』エピソード1

最終更新日:2020年10月19日

特に病気知らずの健康体、喧嘩で殴られたわけでもないのに、ある日片目だけ突然見えなくなったら?
 
鏡で自分を確認してもいつもと変わったところはない、目に何か張り付いているわけでもない、なのに見えない!考えただけでパニックになりそうです。

今回はそんな患者さまの危機一髪なエピソードを紹介します。

「左目だけ今朝からとても霞むんです」が症状でした。視力を測れば0.9、ちょっと落ちてますかね?眼底を覗くと(写真1)のようにボヤけてよくわからない感じでしたが、それが出血によるものというのは直ちに分かりました。

(写真1)広角眼底カメラによる目の中の様子。目の中がボヤけていて眼底がよく見えません。

(えー、目の中で出血!?)と言われそうですね。もちろん怖い病気(網膜剥離、血管閉塞など)であることを最優先に考えるべきですが、実は出血するだけで病気ではなく全く怖くないケースもあるんです。

こういった場合、超音波検査など精密検査をした上で、失明が予測されるような状態でなければ、出血が引いてくるまで様子を見る、が一般的です。

でも失明に至る病気があるかも知れないのに、見えないまま日常を過ごすなんて…というご不安もよーく分かりますので、私の場合、状況によって

#考えられる病気をお伝えして
#様子を見るリスク(怖い病気が隠れているなど)
#手術するリスク(術後感染症など)
#どっちもリスクがあるじゃないか!

を患者さまに理解してもらいながら話し合うようにしています。

今回の患者さまは「病気が隠れていたら怖いので手術したい」ということでした。正直なところ、リスクの高い病気ではないんじゃないかな?と楽観的に思ってたんですが、手術を始めてビックリ!(写真2)
普段お見かけする何倍も大きな網膜の裂け目がある網膜剥離でした。

(写真2)左下が網膜剥離を起こしている部分です

写真に映っている以外にも、診察ではなかなか見つけられない場所に網膜の裂け目がいくつかあって…教科書通りに手術せず様子を見てたら今頃は…コワイコワイ。
 

(写真3)網膜の裂け目にレーザーを当てているところです。白い斑点はレーザーの痕で、網膜を外の壁に貼り付ける役割があります。

はぁ、危機一髪。皆さま、お気をつけて。

(写真4)手術後の様子。網膜剥離も治ってよく見えるようになりました。

三愛眼科院長
樫本

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